腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア 830×510

まず、ヘルニアとは?

「ヘルニア(hernia)」とは、体の内部の臓器や組織が本来あるべき場所から外れ、異常な位置に出てしまうことを指します。
一般的には、筋肉や組織にある弱い箇所が、体の圧力によって広がり、臓器や組織がその隙間から押し出される状態を指します。
ヘルニアは、場所や原因によって、さまざまな種類があります。例えば、臍ヘルニア(いわゆるでべそ)、直腸脱(脱腸)、鼠径ヘルニア、椎間板ヘルニアなどがあります。
腰椎椎間板ヘルニアは「腰椎の椎間板が異常な位置に出てしまうこと」となります。

椎間板の構造と役割

椎間板は背骨の骨と骨の間にある柔らかい組織で、せぼねの柔軟性を保ち腰椎にかかる衝撃を吸収する役割があります。
椎間板は外側の強い繊維輪と、内側の髄核から成り立っています。髄核は柔らかいゼリーのような組織で外側の繊維輪によって包まれています。
椎間板ヘルニアは外側の繊維輪が破れ、中の核が飛び出すことによっておこります。飛び出した先に脚やお尻に行く神経があった場合、神経を圧迫することにより脚の痛みやしびれが出ます。

椎間板の構造と椎間板ヘルニア

治療方法

手術療法

腰椎椎間板ヘルニアで「必ず」手術をしなければならないのは「膀胱におしっこがたまっている感覚はあるが、おしっこが出ない」「お腹に便がたまっているが、トイレにいってもお尻の回りがしびれて力が入りにくい」といった症状が出た場合です。膀胱直腸障害といいます。また、下肢の脱力が著名になった場合も手術を早めに行った方がよいこともあります。
腰痛や下肢の痛みだけでは、時間経過とともに改善していくことが多く通常は手術適応になりません。が「風が当たっただけで飛び上がるほど痛い」「保存療法を続けても痛みが改善せず、日常生活に支障が出ている」場合には手術適応になります。
最近は髄核を溶かす酵素を注射して治療する方法も一般的になってきています。
どの手術を選択するかは実際に手術をする主治医の判断になりますので、手術を希望される場合は紹介をします。

保存療法

無理しない!

発症してすぐの痛みが強い時はとにかく「安静」です。日常生活が困難なほどの痛みは通常数日で改善することが多いです。横になってじっとするのが一番良いですが、どうしても横になるのが困難な場合は座るよりも立ったままのほうが痛みが軽減する場合もあります(逆に立っているより座っている方が楽なこともあります!)。

薬物療法

時間とともに症状は改善していきますので、「良くなるまでの間、いかに痛みを抑えるか?」となります。痛み止めの内服を使いますが、脚の痛み、しびれに対してはロキソプロフェンなどのNSAIDsと言われる痛み止めよりもリリカ、タリージェと呼ばれるが効く場合もあります。
リリカ、タリージェは眠気やめまいなどの副作用の心配もあるので、内服のしかたにコツがいります。しっかりと内服方法を聞いてください。

ブロック注射

神経を一時的に麻痺させる麻酔を用いて痛みをとります。「一時的に麻痺させるだけなら、麻酔が切れたら元に戻るのではないか?」とお考えになるかもしれませんが、一度神経を圧迫させることによる痛みをとってあげると、筋性防御が解除されて椎間板ヘルニアによる神経の圧迫がゆるむことがあります。それにより麻酔が切れた後にも痛みが軽減する場合があります。
また、一口にブロック注射と言っても色々と種類があります。
神経根ブロックは原因となっている(ヘルニアが当たっている)神経に直接針を刺して麻酔の薬を投与しますので、神経にあたった瞬間ものすごく痛いですし、その時痛い場所がいつも痛い場所と同じであれば適切に投与されているという指標にもなります。
腰椎硬膜外ブロックは神経の通り道である脊柱管を包んでいる硬膜と呼ばれる膜の外側に痛み止めを投与します。神経根ブロックのような激痛はありません。

運動療法

腰椎椎間板ヘルニアは、損傷している椎間板に無理な力が慢性的に加わることにより発症します。したがって腰回りの筋力を鍛えたり、腰回りの柔軟性をあげることも痛みを和らげるためには重要です。
当たり前ですが、自己流でやっても、かえって腰椎椎間板ヘルニアを増悪させることがあります。傷んでいる椎間板に負担をかけずに行う方法がありますので療法士と相談しながら治療を行っていきましょう。

痛みがおさまれば終わりではありません

腰椎椎間板ヘルニアは再発することがよくあります。
最初に説明した通り、繊維輪が壊れて髄核が飛び出たことにより痛みが生じます。痛みは飛び出た髄核がおちつけば改善していきますが、繊維輪は壊れたままですし、中に髄核(の残骸)はあります。
とういことは、椎間板に無理な力が加わるとまた髄核が移動してヘルニアが再発する可能性は十分にあります。
再発防止には椎間板を守るような体幹の筋力トレーニングや必要です。ぜひそのような体操を一通り習得していただければ、「また腰が痛くて病院に行かなければ・・・」ということを防ぐことができます

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