足底板(そくていばん)の話

足底板

「足の痛みは足底板で解決」が本当か?

最近は靴を買う時にインソールをすすめられることがよくありますね。私も身分を隠して(と言えるほど高尚な身分ではありませんが)靴を買いにいくことがあります。

で、何を見にいくかというと店員さんがどのようにして靴を合わせるかを見ています。何を基準にして、どのようにして靴を合わせるか、ちゃんと指導できているところでしか靴を買わないことにしています。

しかし最近は「ランニングしていると足が痛い」とか話をするとすぐに足底板を勧められますね(笑)。「足の形を三次元的に計測してオリジナル足底板を作成」といった本格的なものから、靴底にウレタンのパッドをぺたぺた貼り付けたものまで、色々と出ています。

そもそも足底板が医学的に有効であるか?

医学とは科学です。科学的に研究をして有効であると評価をするのは実に大変なことです。しっかりとした論文を作るにはそれなりの時間と費用が必要です。残念ながら足底板に関する論文で医学的にしっかりとした研究成果が上がっているものは、変形性関節症や足底筋膜炎など一部の疾患に対してしかありません。足底板が医学的に優位に効果があると実証されているものは数える程しかありません。

さらに言えば、これらの論文をよく読むと「自分の足の形にあった靴を選択し装着する教育指導が重要」と書いてあります。靴の選び方やはきかたを患者自身が理解していることが前提で書かれています。

正しく靴を選び、正しく靴をはくことがまず必要

したがって、足底板はさまざまな足の痛みに対して有効である可能性はありますが、その大前提として、患者さんご自身が靴を正しく選択して正しく履けなければいけません。真面目に参考書や論文を読んだことがある人なら、靴の選び方はきかたの教育をせずに足底板を勧めるのは本末転倒であることはわかっていらっしゃると思います。

靴は何万円もするようなオーダーメイド品である必要性は全くありません。市販のスニーカータイプの紐靴で十分です。

今度動画で説明したいと思います。

ちゃんと靴をはけるようになると、足の指も動かしやすくなります

当院では靴の選び方やはきかたの指導と並行しての指を動かすトレーニングの指導をしています。
ざっくりいうと、関節は動きが硬くなる(拘縮といいます)と痛みがでます。肩やひざが典型的ですが足の指の関節も同じです。
外反母趾やいわゆるモートン病と言われる疾患は関節の拘縮が痛みの原因の一つなので、足の指を動かすトレーニング(と運動器リハビリ)をすれば、かなりの割合で足の痛みは楽になります。正しく靴をはくと、靴の中でも足の指が動かせるようになるので痛みが改善していきます。

足底板は「痛みが取れたらラッキー」ぐらいに思ってください

足の指の運動をして正しく靴をはけるようになってもまだ症状に満足がいかないのでしたら、そのときこそ足底板の出番です。当院でも毎週火曜日に装具士さんにきていただき作成することができます(予約制です)。先ほど書いたように足底筋膜炎や変形性膝関節症に対しては一定の効果があることがわかっています。が、それ以外の疾患に対しては「良くなったらラッキー」ぐらいに考えて作っていただいた方がダメージが少なくていいかなと思います。

開院してもうすぐ4年になりますが、骨折以外で足底板を作ったのは10件ないと思います。ほとんどは正しい靴を選んではいていただいて、リハビリで治ってしまいます。

もし他の施設で足底板を作ったことがあるのでしたらぜひ当院で見せてください。せっかく作成したのですからちゃんとした靴のはきかたを勉強していただき、有効活用させていただきたいと思います。

他の施設で足底板を積極的に勧めるのは

人間は不思議なもので高いお金を払えば満足してしまう心理的な面もあると思います。しかしながら効果がないとわかっているものを勧めて良くならなければ、それは私の信頼を下げているだけですので私はそんなことをしたくありません。
当院では足の痛みを訴えられた患者さんには積極的に靴のはき方、選び方の指導をしていますが、残念ながらちゃんと靴をはかなければいけないということをご理解いただけないこともあります。ご理解いただけるまで説明はしますが、途中で学ぶことを諦めてしまわれることもあり、そのような時は私の勉強不足によるものですからすみやかに他の医療機関に紹介させていただくことにしております。

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