メッツ(METs)とは?
例えば
Aさんが「普通に1時間歩いた」
場合と
Bさんが「30分水泳をした」
場合、どちらの身体活動のほうがより運動をしたのか?を考えるとします。AさんもBさんも別々の身体活動をしていますので、直接比較することはできないですよね?
異なった身体活動の強さ(運動強度)を比較するために用いられるのがメッツです。
基準は「安静時を1METs」として、どれくらいエネルギーを消費するかを比率で表します。例えば・・・
活動内容・運動 | メッツ(METs) |
---|---|
立位・皿洗い | 1.8 |
ゆっくり歩く(2km/h) | 2.0 |
通常の歩行(4km/h) | 3.0 |
階段の上り下り | 4.0〜6.0 |
ジョギング | 7.0以上 |
筋トレ(中等度) | 3.5〜6.0 |
水泳 | 4.8以上 |
バスケットボール | 6.0以上 |
といった感じです。いずれも1時間の間、上記活動を続けると1メッツと計算します。
先ほどの例で言えば、Aさんは3メッツ、Bさんは4.8÷2=2.4メッツですので、Aさんの方がより多く運動したことになります。
もちろんBさんがガツガツ泳いだりすると話が変わってきますが、「だいたいこのぐらいの身体活動をした」かを知りたいのでアバウトでいいのです。
じゃあ、何メッツぐらい運動すれば良いのか?
健康な身体を維持するにはある程度の運動が必要であることは、みなさんご理解されていらっしゃると思いますが、では「どのくらいの運動をするのが良いのか?」についてはあまりご存知ないと思います。
厚生労働省が発表している「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」によると。
一般的な成人の場合、「1週間に3メッツ以上の身体活動を合計23メッツ・時以上行うことを推奨」されています。
高齢者の場合は「1週間に強度が3メッツ以上の身体活動を合計15メッツ・時以上行うことを推奨」されています。ただし、高齢者の場合は身体能力に個人差があるためその人にあった身体活動が求められます。身体的に問題ない場合は一般的な成人と同じく23メッツの運動をおこなっても構いません。
膝や腰が問題ない人は良いのですが
ガイドによると、一般成人の場合「1日60分以上の歩行(1日約8,000歩以上)」高齢者の場合は「1日40分以上の歩行(1日約6,000歩以上)」が推奨されていますが、、、膝や腰が痛くて当院通院されているかたは「歩行による運動」は推奨されません。
当然疾患を悪化させる可能性もありますし、通常の歩行では腰や膝を守るために筋力は全くつかないからです。
週に2〜3回の筋力トレーニングが推奨されています。
「筋トレ」と聞くと、なにかスポーツをしている人や筋肉ムキムキになりたい人がやるものだという意識があるかもしれません。
ですが、このように健康寿命を伸ばすためには「国民全員」が行うことであると推奨されているのがわかると思います。
ダンベル持ったりバーベル担いだりすることだけが筋トレではありません。自重で行う(おもりを持たずに行う)スクワットや腕立てふせなども立派な筋力トレーニングです。
詳しくは「筋力トレーニングについて」を参照ください。