リリカ(プレガバリン)とタリージェ

リリカ・タリージェ830×510

「神経障害性疼痛」に効く痛み止めです

プレガバリンという一般名のお薬の先発薬の名前がリリカです。
タリージェは一般名ミロガバリンの先発薬の名前です。

「痛い」という感覚が起きる理由はいくつかありますが、そのうち、「神経障害性疼痛」と呼ばれるタイプの痛みに対して効果があると言われているお薬です。
「受容体(センサー)」に痛みの原因となる刺激が入ると、受容体は神経を興奮させて電気信号をおこします。神経に起こった電気信号は脳に伝えられて、そこで「痛い」と認識します。
これが一般的な痛みが生じる理由ですが、直接神経が何らかの原因により圧迫をうけたり傷ついても電気信号が生じて痛みが生じます。これを神経障害性疼痛といいます。

神経障害性疼痛の特徴

痛みが生じてる場所と、障害が生じている場所が異なっているのが特徴です。
例えば腰椎椎間板ヘルニアの場合、障害が生じているのは腰ですが、痛みが生じてる場所は足先であったりします(したがって椎間板ヘルニアの時に痛いところに湿布貼っても意味ないです)。

リリカとタリージェが効果が高い疾患

  • 頸椎椎間板ヘルニア
  • 胸郭出口症候群
  • 肩関節周囲炎
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 帯状疱疹後神経痛

などがあげられます。

副作用に注意

リリカ、タリージェ共に副作用があります。ほかの鎮痛薬と比較して、副作用が出やすいのが特徴の一つです。いかに副作用を抑えて、痛みを軽減するかが使い方のポイントになります。

短期的副作用

内服して数時間ぐらいで出てくる副作用です。「ねむけ」「吐き気」「めまい(浮遊感)」などがあります。初回投与時や容量を増減したとき(急に減らしてもダメです!)には特に車の運転に注意してください。

長期的副作用

内服して数週間から数ヶ月で出てくる副作用です。「体重増加」「視力障害」「記憶障害」などです。
特に視力障害は焦点があいにくくなったりすると、視力を調節する時に用いる筋肉が弱ってくるので早急に中止したほうがよいと言われています。
一番多い副作用は「体重増加」です。内服中は体重管理に十分注意してください。

離脱症候群

リリカ、タリージェ共に急に中止すると「めまい」「ふらつき」などの症状が出ると言われています。当院では1週間にリリカで75mg/日、タリージェで10mg/日以上急に内服量を変えないように指導しています。

副作用で「体重増加」があるのが欠点であり、長所でもあります。痛み止めは長期的に用いると、色々と合併症を心配しなくてはいけないのですが、中には痛いのがいやで予防的にずっと飲みたいと思われるかたもいらっしゃいます(依存症ですね)。「ずっと飲んでると太るよ」の一言で減量に同意してもらえるのは外来をしていてありがたいです。

内服方法

リリカ、タリージェともに副作用をいかに抑えて痛みをコントロールするか、がポイントになります。
まずは痛みが軽減しなくてもいいので少量から始めます(痛みは他の痛み止めを併用しておさえます)。リリカなら25mgの錠剤を朝晩1錠ずつ、タリージェなら2.5mgの錠剤を朝晩1錠ずつから開始して1週間ごとに少しずつ量を増やしていきます。副作用がでたら、副作用が出る直前の内服量で止めます。1週間ほどすると体がなれて、副作用がでなくなるので量を増やしていきます。

リリカとタリージェの違い

リリカのほうが先に発売されました。タリージェはリリカより副作用の発症頻度が低いのが特徴です。
痛みを抑える効果はリリカのほうが強い印象です。リリカのほうが内服量を調節できる幅が広い(1日25mgから1日600mgまで、タリージェは1日2.5mgから30mg)のでタリージェと比べて内服量のコントロールがしやすいです。
一番の違いはリリカにはジェネリック(後発品)があることです。
リリカ(プレガバリン)の薬価タリージェの薬価を比べると一目瞭然です。
総合的に判断して、当院ではリリカ(プレガバリン)を第一選択薬にしています。

まとめ

  • リリカ(プレガバリン)、タリージェは椎間板ヘルニアなどの神経障害性疼痛に効果がある
  • 副作用が出やすいため、最初は(効果は弱いが)少ない量から始めるとよい
  • めまい、ふらつき、眠気などの副作用がある(運転は注意しましょう)
  • 長期投与では体重増加が主な合併症
  • 急に止めると副作用が出てしまいがち
  • ジェネリックがあるため、リリカ(プレガバリン)のほうが安い
腰椎椎間板ヘルニア説明830×510

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